Ever17 -the out of infinity- レビュー
Ever17 -the out of infinity-をクリア。
これも存在自体は大分前に知ってて後回しにしたのに手を付けた感じで。
図らずして日付と状況的にぴったりな時期にやってしまったのが絶妙でした。
11日までDMMで半額らしいです。
総評
総合評価はA-。
話の作りは見事ではあるんですが、
最後の方でえぇ…ってなるとこが多数あるのと、
古いゲームなんで当たり前っちゃ当たり前だけどシステム面が劣悪なのでこの評価。
推理しながら読み進める人とか、ミスリードに感心できる人は楽しめると思います。
頭が良すぎる人と何も考えない人には多分向いてない。
ちょっと踏み込むと何もかもネタバレになってしまうので色々と後述します。
プレイ時間は30時間くらい。色々考えながらやってたので読むだけならもっと短いか?
1シナリオ5時間くらいを想定しておけば大丈夫だと思います。
既読部分飛ばせば3時間くらい。5*3+3*2で21h。
良かったところ
シナリオ全体の構成
2つの視点が似たものになるように意図的に作られている、
というのは初めて見たので斬新でした。
年をひた隠しにしていることから時間のズレはありそうだなと思いつつ、
優編→つぐみ編とやった後に、もしかすると数年どころではなく大きく開いているか?
となったものの、どっちが先かはわからず似たような事故があったら
防止策取られるだろうしやっぱパラレル?となって
振り出しに戻ってしまったので見事と言うほかない。
良く考えると少年視点ではヒンメルに入ってないしTBも発生してないから
そこに気付ければもっと気付きは早かったかもしれないですね…
叙述トリック
上述したように登場人物によって作為的にミスリードが仕込まれているんですが、
登場人物でなくライターによって仕込まれた物も多く存在します。
ヒンメルに1人残っていた研究員がココでなく
優の父親である(イニシャルがY.TとT.Yで逆)のとか、
主人公の顔が見えないノベルゲーならではのメタ要素とかもそうですね。
BGM
郷愁的なQualle、淡々としたHologrammみたいな静かな曲が
海の中っぽさを醸し出しているような感じがしてて独特な感じがあります。
やたらと取り沙汰されるKarmaは流れる場面が印象的なので耳に残りやすいですが、
他にもBGMとしてのポテンシャルが高い曲は多いです。
悪かったところ
滅茶苦茶な展開
IBFからLeMUに移動した後の減圧なしで行動してるのとか、
2人と1体が100m超える海中で動き回るのは大分無理があると思うんですが…
しかも直で引き揚げたディスクまともに読み込めるのか?うーん。
ゲーム性
こういう構成にするならココ編はプレイヤーに色々やらせる形にした方が
良かったと思うんですが、ほぼ一本道で進んでしまったのが
ちょっと納得いかない形ではあります。
知ってる/知らないとかの選択肢実装する前にこっちじゃないのとか思ったり。
システム面
とりあえず不便だったものを列挙。
・バックログなし
・スキップの速度が遅い
・スキップがメニュー表示しないと止まらない
・ウィンドウを切り替えるとBGMが最初からになる
(ムービーの場合は止まってスキップするしかなくなる)
・科白の表示を即時にできない
科白の表示がおっそいので常時連打しているような感じになるんですが、
それで重要な部分をさらっと流してしまった時に確認したくてもバックログを
確認できなくて、前のオートセーブからスキップしてもこれも遅いと三重苦でした。
今風とまで行かなくても2010年くらいの標準UIで作ってくれたら
かなり良くなるんじゃないでしょうか。PSP版だとマシになってるのかな?
残った疑問
キュレイの諸々
キュレイの中途半端な感染みたいなことがあるのか?が謎のまま。
(少年(ホクト)も言ってましたが)
完全体のつぐみが着ぐるみ着てまで太陽光を遮断してるので、
日中野外では数十分も活動できないと予想してて、
それで優(秋)ママと少年(ホクト)視点の武の正体を正解から外して考えてたんですが、
半端に感染して赤外線視力/紫外線弱点がなくなってる状態なんですかね?
治癒力も中途半端で不老まで行かずとも、加齢はゆっくりだから
一応矛盾がない程度の見た目になってるのであればまあ何とか…
生存者数
少年視点ではココと武の2になるはずでは?何で1?
5~7でブレていた理由は?
ヒンメルのロック
突然解除された理由は?
扉の前を中でモニターしていて、優がいたから開けた?
それにしては会話が不自然な気もする。
ハイバネーション
スリープ中はキュレイ化の進行も止まるから、解除後に延命処置できる状態を
用意しとかないと状況は変わらないのでは?
通常のウィルスとは何もかも違うのでそうじゃないのかもしれないが…