げーむろぐ

クリアしたゲームの備忘録。RPG/アクション/ADV/ノベルがほとんど。

「TrymenT ―今を変えたいと願うあなたへ― AlphA編」― Re:LieFの真相を探るもう1つのトライメント計画

前回の続きで「TrymenT ―今を変えたいと願うあなたへ― AlphA編」です。 

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作中でも一枚絵として使われるタイトル画面

前回の記事でもお伝えした通り、Re:LieF ~親愛なるあなたへ~は
元々こっちを先に見つけてから辿っていったのでそのままの流れで。

概要

タイトル TrymenT ―今を変えたいと願うあなたへ― AlphA編
ブランド TrymenT
ジャンル ビジュアルノベル
機種 PC/Steam/Android/iOS
発売日 2020/2/20
傾向 SF好きな人、Re:LieFが好きで設定を深く知りたい人向け
プレイ時間 約12時間
総評 B
その他 Re:LieFプレイ済みであることが前提

前作であるRe:LieFは話としては単体で完結していますが、
司たちとは別の世代のトライメント計画と、司たちの世代ではあるものの
Re:LieFのどのシナリオにも該当しないifを交えて設定を掘り下げる作品になっています。
Re:LieFをやっていても難解な部分があるため前作の履修は必須です。
(これちょっと調べても出てこなかったけどプレイヤーがそんなに多くないのかどうか…)
AlphA編とある様にこれ一作で完結する話ではなく、
後編となるOmegA編が未定ですが発売予定です。

前半でネタ出しして後半で伏線回収する二部構成になっています。
わかる方は某なく頃にみたいな感じをイメージしていただければ。

前作でも流花とももはシナリオ丸ごと使った伏線とか設定説明になっていて、
キャラクターよりも世界観とかテーマ重視なんだなという印象はありましたが、
今作は個別シナリオが存在すらせず一本道です。
そもそもあっちこっち話が飛ぶので個別シナリオなんざ作り様がない気もしますが…

評価

総合評価

ビジュアルノベルとなっていますが、ほとんど小説です。
含蓄のある科白自体は多いものの、掛け合いにあまり面白みがないのと
司たちの世代の方は前作とかぶる部分も多いのでゲームとして楽しもうとするとかなり退屈。
(Re:LieFでも似たような問題はあったものの、ビジュアルノベルの範疇に収まっていました)
また、背景は美麗なままなんですが立ち絵が大分変わっています。
そもそもUIからして大分違うし、今作の様な作りにするんであれば違和感がないので〇。

また、時代があちこち飛ぶ上に前半では過去なのか未来なのかもわからず、
同じ時代でも一旦遡ったり一気に飛んだりもするのでぐちゃぐちゃになります。
構成工夫するか、後から時系列順に見直せるようにするとかできなかったものか…
こちらも似たような欠点を抱えていた十三機兵防衛圏は
後からの見返しが非常に手厚かったので比較するとどうにも。

テーマ

作中では一貫して、人を変えるのではなく環境を変える必要がある、という類の話が出てきて
サブタイトルと合わせて考えてもこれがしっくりきます。
ただ、Re:LieFの時はキャラクター自身の人生に沿った形で展開されていたのが
今作では公演や意見交換の様な形でポツポツ出てくるような形なのであまり心に響かないというか…
当然そう考えるに至った経緯はあるんですが、それが直接描写されるわけでもないので何とも。

あやめと翔の製作発表でタイトル画面を使った演出は中々良かったし、
人それぞれ見てる物や価値感が違うということの説明の一つではあったんですが、
あそこではその解決策がどうなるのかということに触れていないので惜しい。

世界設定

Re:LieFでの設定はSF的な要素がありながらも補助的な役割になっていましたが、
今作は前面に押し出してきていて理解しないとついていけない形になっています。
ジャンルと設定を共有していながらも毛色がまったく異なるのは珍しいタイプ。

音楽

エンディングにRe:TrymenTのアレンジ持ってくるのは流石にズルい。
挿入歌として来るのを予想していましたがこう来るとは。
また、司に続いてあやめもピアノに執着があって、作中でもピアノがメインのBGMが多い*1
それと、一瞬だけ出てきたディアも何かしら絡んできそうな気がするので
ピアノというか音楽がヒトとAIの架け橋になるみたいな展開は次でもありそうです。

以下、ネタバレ注意です。















演出面

先述したことのおさらいがほとんどになってしまいますが一応…
前半後半と別れていて、前半はあやめ側のトライメント計画に参加してからのストーリーがメイン、
後半はあやめの過去と司側のストーリーがメインになっています。
各チャプター開始時に日時が表示されるんですが、前半は年が伏せられていて後半は明かされます。

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左が前半、右が後半のチャプター開始時の日時表示

後半開始まではあやめ側と司側の前後関係もわからないので推測しがいがあって良いんですが、
飛び飛びなのと幕間で違う時代の話が差し込まれるせいで、後半になっても把握しきれない。

感想

前作で考察した部分に対して

最後の文字も大文字なのはアルファとオメガから。
司の夢に紗希が出てくるのは過去に面識があるから。
ユウがアイを作ったのは、管理AIとしての運用が始まった際に司の補助として。
うーん全然当たってないですね…

前作との繋がり

もも√とミリャの役割が今一わからなかった部分は今作で補完された形になりますね。
もも√の理解は深まったものの、急展開過ぎるのはそうなので評価は特に変わらないですが。
後は今作やってからだと、日向子√のラストは大きな意味を持ってきそう。
あっちだとももの補助はなかったけど司とミリャは別サーバに行けて、
ミリャが現実世界に復帰できているということは司とあやめも助かってる可能性がある。

考察

あやめ世代で起こった事件とは?

あやめが一足先に「卒業」した件。
ミリャが別サーバに行った時にあやめがいたのを考えると、
司と同様にあやめの別人格がサーバに行ってしまって正常に起きれなくなった?
先に卒業することになったのは、それを他の参加者から隠蔽するためか。

結局ミリャの正体は?

三国(父)が監視AIとしてトライメント計画に潜り込ませた三国紗希。
ミリャ・ブランコという名前は監視AIとしての名前。
過去に面識のある日向子を同室に選んだのも治療のため。
喋れなかったり奇怪な行動が多いのは悟られないためのフェイク。
…とここまでは良いんですが、三国父もトライメント計画の主要メンバーの1人だし
司と同じように正規の手順を踏むことはできなかったのか?という点と
伊砂辺りは過去に面識あったりしないのか?という点が引っかかる。
後者は本当にない可能性もあるし、
身内から生体データ用意するのが手っ取り早いと説得した可能性もある。

その他

ディアのいるシーンは恐らくゲーム内での出来事。
玉座のシーンは不明、流石に情報が足りな過ぎる。
甘利紗陽は記憶を失ったあやめと思われるが、
現実世界での話なのかとかどこから名前が出てきたのとか不明。
こっちでの「試してみるんだ、もう一度」はループ物の気配を感じる…

*1:今作は無音のシーンも多いが…