げーむろぐ

クリアしたゲームの備忘録。RPG/アクション/ADV/ノベルがほとんど。

「ポケットモンスター ブリリアントダイヤモンド」― リメイクと捉えると肩透かしを食うかもしれない

過去にポケモンで最もやり込んだのがダイヤモンドで、
年齢的には金銀世代なんですが個人的には1番思い入れがあるので
対戦も図鑑ももう興味ないけど記念にと購入しました。
(以下、ダイヤモンド・パールが長いのでDPと略します)

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オリジナルを模したタイトル画面

発表時にフィールド上のキャラクターが二頭身であることが物議を醸していて、
最新世代対応のDPというよりも過去作プレイ者向けのリメイクになるのでは、と
噂されてもいましたが実際その通りになっていました。
オリジナルを忠実に再現しようとしているのはわかるんですが、
そのせいで歪になっている部分がそこかしこに見受けられます。


SNSを騒がせているバグについては、
意図的に起こそうとしないと起こらないものが多く
通常プレイで進行に差し支えるようなことはあまりないので
基本的には対岸の火事の様に見ているんですが、
「なぞのばしょ」が形を変えて復活しているのは非常に残念です。

概要

タイトル ポケットモンスター ブリリアントダイヤモンド
開発元 イルカ
ジャンル RPG
機種 Nintendo Switch
発売日 2021/11/19
傾向 リマスターに近いリメイク
プレイ時間 約20時間
総評 B-

2006年秋に発売したダイヤモンドのリメイク作品。


シナリオ

いつもの。
各地のジム巡りしつつ○○団の悪事を阻止してリーグ制覇。

システム

なつき度による影響

唯一オリジナルにはなく追加された要素。
なつき度が高いと戦闘中に様々な効果が発動するようになる。
プレイしている中で確認できたのは以下の4つ。

  • 攻撃を急所に当てる
  • 敵の攻撃を回避する
  • 瀕死になるダメージをHP1で耐える
  • 状態異常を回復する
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ボスキャラとの対戦で偶然発動すると中々熱い

厳密な確率は不明だが、なつき度が最大だと
「鋭い爪+光の粉+気合のハチマキ+だっぴ(特性)」を
同時に持っている様な状態になり非常に強力。

地下通路

DPの特徴であった地下通路は健在で、更にパワーアップ。
複数の通路が交差する場所が部屋になっていて、
そこで野生のポケモンシンボルエンカウントできる。
本来は殿堂入り後に出現するポケモンも出現する。
(シンオウ図鑑上はNo.???になっている)

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レベルは手持ちの平均レベルに依存する模様
わざマシン

わざマシンの仕様が第5世代から変わって使用しても残るようになったが、
本作ではオリジナルの第4世代の仕様に合わせて使い捨てに戻っている。
これだと現在の仕様になれたプレイヤーからは不便だと思ったのか、
ストーリー上1回しか入手機会がないものは一度に複数入手できる。

秘伝技

ひでんマシンは廃止されてわざマシンに統合されていて、
詰み防止のためか、秘伝要員の煩わしさを無くすためか
秘伝技が必要な時に野生のポケモン*1が手伝ってくれる。

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手持ちに秘伝技を覚えたポケモンがいても野生のポケモンが手伝いに来る
ポケッチ

オリジナルでは下画面の表示を切り替えることができた機能。
本作では画面右上に小さく表示されていて、
この状態ではアプリの操作はできず拡大する必要がある。
画面の切り替え自体は縮小状態でもできるため、利便性は何とか損なわれていない。
秘伝技「きりばらい」は手持ちポケモンが覚えていない場合*2
ポケッチの秘伝技アプリからしか使用できない。

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タッチするかRボタンを押すと拡大して操作できるようになる

余談になるが、手持ちのポケモンを表示できるアプリの表示が
オリジナルでは粗いドットだったのが綺麗なグラフィックになっている。

タッチ操作

技選択等オリジナルで下画面に表示されていたUIがタッチ操作できない。
専用の画面を持つUIのみ、タッチを感知する仕組みが実装されている。

その他次作以降で変更された仕様

タイプや技、特性の仕様等は最新作の第8世代に準拠。
フェアリータイプの追加と、特性「がんじょう」の仕様変更はかなり影響が大きい。


評価

総合評価

追加要素もほぼなくオリジナルの再現を目指している様なんですが、
それに拘って無理やりな仕様にしているところがあったり、
ブラッシュアップでなく魔改造している部分があります。

オリジナルの要素を引き継いでいて良くなっていると言えるのは地下通路くらい。
シンオウ地方は道中で出てくるポケモンの偏りが結構酷いので、
旅パの選択肢が広がっているのは中々良い改良だと思います。


二頭身問題はほとんど気にならなかったですが、
テンガンざんのイベントとかシロナ戦前みたいな
シリアスな雰囲気のシーンではちょっと違うかなとは感じました。
特にアカギのグラフィックがシリアスな笑いになってしまってます。


後は妙なテンポの悪さが気になりました。
フィールドの移動が疑似3Dで実質は2Dなんですが、
オブジェクトの配置はマス単位なのに主人公はマスの半分くらいを刻んで移動できます。
歩き(走り)だとあまり気にならないんですが、自転車で移動しているとこれのせいか
変なとこで引っかかることが多くなっていて余程平坦な場所でないと快適に走れません。

他にもロードしたてのエンカウント演出で少し固まったりとか、
エンカウント率が尋常でなく高い時があり1、2歩で再エンカしたり、
それに加えて特性「がんじょう」が面倒な第5世代以降の仕様*3なので、
段々面倒になり道中はずっとスプレー撒いてました。
学習装置がなくても経験値が自動配分される仕様にもなってるので、
トレーナー戦と地下通路での稼ぎだけで十分賄えますが、
新作でこんなことをしたら新ポケに気付けなくて面白くないので、
やはりオリジナルをプレイ済みの人向けだなと思いました。


再現いろいろ

わざマシン・秘伝技

秘伝技をサンムーンのやり方に合わせるのが難しかったとか、
わざマシンを使い捨てに戻した上でひでんマシンをわざマシンに落とすと、
1個しか入手できないとストーリー上詰むことはなくても問題がある、
というところまではわかります。

しかしこの解決策として複数渡して終わり、というのはあまりにもお粗末。
秘伝技を教え技にするとか、やり様はいくらでもあった気がするんですが
暫定の仕様がそのまま通った様な印象を受けます。

ポケッチ・タッチ操作

下画面を利用したUIについては、DS用に最適化されたものを持ってくると
こうなってしまうのは仕方がないのでプラスでもマイナスでもないんですが、
DSの機能を上手く利用していたゲームのリメイクの難しさをも知らしめる形になりました。

キャラのポーズ等

ジムリーダーや四天王の戦闘開始時のポーズについて、
オリジナルでは1枚絵なので特徴的なポーズを取っているキャラが多いんですが、
本作は3Dのグラフィックで同じポーズをしばらく取り続けるので結構違和感があります。

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特にスズナとかリョウ辺りの、腕を上げているポーズのキャラはシュールな感じです

魔改造された要素

敵の強さ

ただ強いだけなら良かったんですが、やり方が大人げない印象を受けます。
経験値配分の仕様変更となつき度効果で結果的には少し難しくなった、
くらいに収まってはいるんですが…


序盤も序盤のトレーナースクールでまさかのポッチャマ殺しから始まり、
ジムリーダーを中心にちゃんとアイテムを持たせていたり
そのレベルで覚える技を適当にではなく最高威力の技や厄介な補助技を
しっかり覚えさせていて、単なるレベル以上に強く感じます。


ストーリー進めながらこの調子だとシロナのガブリアス
ドラゴンダイブとかギガインパクトがまともな技になってて
ヤチェ持ってるだろうな、くらいの予想はしていたんですが、
ポケモンリーグ全体が強化前なのに魔境と化していました。

明らかにレベルに対してステータスが高く、素早いアタッカーには先制を許し
耐久型にはタイプ一致で弱点を突いても一撃で倒すことが中々できません。
単純に努力値を全ステに100振ってるとかでもなく調整していそう*4です。
AIも賢く、確1の場合は攻撃してきて、そうでない場合は補助技を使ったり
こちらの行動と相性を見て交代してきたりもします。

シロナ戦はまずルカリオに苦戦して、そこからガブリアスでお祈りタイムが始まるのは
オリジナルと一緒と言えば一緒なので奇しくも再現にはなっていますが、
努力値ガチ振り+殿堂入り前に手に入らないアイテム持ち+夢特性も有りで
旅パを虐めるのは何か違う気がします。

メガシンカ、Z技、ダイマックスと強敵はお互い1回だけ使える切り札を
プレイヤーと同じ様に使ってきて、その使い方で勝敗が決するのが
過去作では面白かったところだと考えていて、ORAS*5は上手いこと取り入れていたのに、
敵を超強化して救済措置みたいなことされても消化不良感が強いです。

バグのお話

自分で1周した限りではAバグどころか妙な事象には何も遭遇しませんでしたが、
通常プレイでもジムの攻略中にセーブリセットすると詰む可能性があるようです。
普通にプレイする上では、むしろ先述のテンポの悪さと魔境リーグの方が問題なくらいで
オリジナルプレイして久々にやりたい、という人はやって良いと思います。

では何故わざわざこの項を設けたのかという話ですが、
幻のポケモンダークライ」、「シェイミ」の扱いについてです。

なぞのばしょ

オリジナルの時から所謂「なぞのばしょ」バグが非常に有名であり、
このバグを利用すると任意の座標に移動できてしまいます。
通常行けない場所にこれらのポケモンを配置していて、
特定のアイテムを所持していると行けるようになる、という手筈だったのが
このバグのせいでアイテムの配信を待たずして捕獲が可能になってしまいました。

これに公式がどう対応したかというと、アイテムを配信するのではなく
ポケモンの方を直接配信する、という手段に出ました。
何故このような手段に出たかというと、元々予定していた場所で捕獲すると
バグを利用して捕獲したものなのかどうか判断がつかないためと思われます。
ポケモンそのものを直接受け取ると、「××で出会った」というメッセージが
「運命的な出会いをした」の様に変わったり、戦闘になって捕獲した場合とは
異なる特徴を持ちます。

結局アイテムが配信されることはなかったので、
そのポケモンに会いに行くイベントが闇に葬られました。

時を経てリメイク

上記の様な経緯があり、今度こそイベント込みで正規の手順で捕獲できる、
と少なくとも私は意気込んでいたのですが、
蓋を開けてみると似たようなバグが形を変えて復活していました。
今後の配信がまた怪しい状況になってしまっている状態で失望しています。
一応アップデートされてバグは随時修正されているようですが…

*1:ビッパビーダルムクバードムクホーク

*2:覚えていても?

*3:HP満タンの状態から一撃で倒れない

*4:エンペルトがロックカット持ちのゴローニャに素で抜かれたり、ミロカロスが特性込で物理に対して異常に硬かったり

*5:オメガルビーアルファサファイア、オリジナルのダイヤモンド・パールの前作であるルビー・サファイアのリメイク