げーむろぐ

クリアしたゲームの備忘録。RPG/アクション/ADV/ノベルがほとんど。

ショコラ、パルフェ 感想

衝撃を受ける出来だったので久しぶりにちゃんと作品単位で書いてみます。

パルフェはそれなりにノベルゲームやってきたつもりだけどトップかもしれません。
ビジュアルノベル界のクロノ・トリガー

概要

美少女ゲームブランド「戯画」から発売された、まるねこ三部作の一作目と二作目。
(2023年に戯画は解散しており、エンターグラムがそのままの名義で全年齢対象のリメイク版を発売している)

wikiwiki.jp

それぞれオリジナルは2003年、2005年リリースであり、名作と呼ばれる美少女ゲームが多数生まれた時期に名を残した作品。
パルフェのサブタイトルに「ショコラ~second blew~」とついていて、実際その後のお話ではあるが前作のキャラクターが絡んでくるシーンはほとんどない。

自分がプレイしたのはRe-Order版で、ほとんどオリジナルだがショコラとパルフェの間を補完するシナリオが追加されている。
パルフェ単体でもCS機にも何度かリメイクされていて、何作かセットでまとめて出すこともある。



<注意>
基本プレイ済みの人向けです。
未プレイでも伝わる様に書いているつもりですが、ネタバレが多数あるのでご注意ください。
(展開を事細かに書いたりはしていませんが、大体こんなシナリオとか全部終わった後でないとわからない心情とかは普通に書いてしまっています)
自分はこれ書くのに何周もしているのにまだ味がするので、見ちゃっても面白いかもですが多分勿体ない。
パルフェのルートごとの前までは大丈夫。

ショコラ

攻略した順は、美里→真子→さやか→翠→香奈子(B)→すず→チロル→香奈子(T)。
プレイ時間は20時間弱、全部攻略見ながらやれば15時間かからなそう。B評価。
(自分はすずと香奈子(T)だけ見た)

全員分のルートまとめて

香奈子ルート以外はストーリーも演出もパッとしないと感じた。
まず主人公の行動範囲が狭すぎてキャラクターのパーソナルな部分があまり見えてこない。
共通部分のイベントのほとんどが店内~駅前の狭い範囲に絞られてしまっていて、
定休日は家にいる/外に出るの選択肢を採れるが、何故かここでイベント不発なことが多い。
(パルフェの方が火の車なのに出歩き過ぎではという気がしなくもないが)


一応、美里は面白くなりそうな要素自体はありそうだったが、最後の屋敷侵入イベントがギャグっぽくなってしまっていて台無しなのが勿体ない。
香奈子ルートもチロル込みで見ると最終的には良かったに落ち着くが、「よくわからん奴」から印象変わるまでが長すぎる。
チロル絡み以外の過去シーンの回想も響かないというか何というか。
システムは終わってるけど香奈子ルートは評価できる、みたいな感想が多いっぽいので、自分がこいつ嫌いなだけな可能性も。

システム面の不満

選択肢を選ぶだけではなくマップから行き先を選択するタイプだが、問題点が多い。

・イベントの発生頻度が低い
律義に毎日昼夜2回マップ選択があるが、何もイベントが発生しないことが多い。
好感度の様なパラメータが視覚化されないし、ほぼ意味をなしていないっぽい。

周回では面倒なだけで、SLGタイプでありがちなちょっとした会話すらないので初回プレイでもスカスカな印象を受ける。
一応SD絵がコミカルに動いている様を見るのは楽しいが、そこまでパターンが豊富なわけではない。


・重要イベントの発生タイミングを判断できる情報に乏しい
特定のタイミングで特定の場所に行かないと発生しないイベントを逃すとそのキャラクターを攻略できないにも関わらず、キャラクターの大まかな居場所しかわからず会話の流れ等からもほとんど推測できない。
特に香奈子と翠は2人同時なこともありノーヒントでは難しく、ルート確定後も安心できない。

ただGoodEndに行けなかった場合はエンディングの後にチロルからアドバイスが貰えて*1、ざっくり何時何処でイベントが発生するかを教えてもらうことができる。
これも〇月の上旬/中旬/下旬くらいしかヒントがなく、前述のとおり毎日行先の選択があるのだが…
しかし何度もチロルに引合わされることによって香奈子ルートに思い入れ補正が出ている感もある。



パルフェ

攻略順は、由飛→かすり→明日香→玲愛→恵麻→里伽子(B)→里伽子(N)→里伽子(T)。
プレイ時間は約20時間、こっちは良いシーンが多くてじっくり読んでた。S評価。


メタ的なシステムがかみ合っているとか特定の好みに刺さるとかはないが、とにかく満遍なく完成度が高い。それでいてテーマ性もあり感動する具合もトップレベルで、1回通しでちゃんと内容を理解できる丁度良さ。
何度もリメイクされるのも納得な作品。


人間関係が結構複雑で、関係が深いキャラ同士を同時進行でないと攻略できない様にすることで本作のテーマである『家族』を強調させる作りになっている。
そうじゃないキャラは扱いが明確にサブヒロイン、だがとりあえずこういう属性のキャラ出しとけという感じではなくて、いないと作品が成り立たない要素。


出だしから既に面白くて、店舗再建に向けて一度散り散りになった仲間にアクセスするところから始まる。
これがキャラクター紹介を兼ねていていると共に、重要人物の2人がこの時点で戻ってこないのがこの先の展開がどうなるかのワクワクに繋がっている。
台詞回しも天才の所業でテンポ良く進むので、共通部分も飽きずに進められる。


各キャラ役割がそれぞれハッキリしているのも読みやすいポイント。
ルート確定後も他のキャラクターが主人公のサポートに回ってくれて、むしろそっちの方が輝いてることがあるのも良い。
(これは「この青空に約束を-」の時も強く感じた)


ロイヤルスウィートコレクションに入っていたReOrderをWin11で動かすと若干挙動がおかしかったので一応自分がやっていた手順を残す。
起動してもウィンドウが表示されないことがちょくちょくあり、その状態で再度起動するとセーブデータが吹っ飛ぶことがある。
プロセス自体は起動しているので、タスクマネージャーからParfait.exeを落としてから再度起動を試みた方が良い。


風美由飛

メインヒロイン。
運命的な出会いをして、ドタバタ劇しながら距離を詰めていって、わかりやすい一芸を持ってて、実はトラウマ持ちで、それを乗り越えてのハッピーエンドで…みたいな感じで王道オブ王道のシナリオ構成。
破天荒+オペラ歌手気取りの結構アクの強いキャラで好みは別れそうですが、自分のルートではその設定が上手く作用しているし、他のルートでは大人しいので傍若無人という感じではない。
玲愛を噛ませることで恋愛感情と直接関係ないところから障害を持ってきていて、三角関係にありながらも絆の強い姉妹で読み物として単純に面白い。
設定を活かした演出も凄くて、ルート入ってから「流れ変わったな」となるところで、途中で失敗する演奏を何度も聞かされるのはゾクゾクする。
さらに1人だけ特殊エンディング持ちで、それがクリスマスイベントのセルフオマージュとなっているのがかなり強い。
なお且つ以前は全体に向けていた好意を主人公に集中していて、関係の変化を盛り込んでいる素晴らしい演出。


このルートが大取でも全然名作判定できるレベル。と言いたいところだが…

どこがつまんない恋やねん!?

というのも里伽子ルートに向けた伏線になっているのがもう…(ほんとか?)
あと玲愛はこっちのシナリオの方が活きてる気がする。縁の下の力持ち過ぎる。マスコットなのに。


花鳥玲愛

本編開始後に知り合ったのに世話焼き幼馴染みたいな特殊なキャラクター。
里伽子と恵麻の関係がある以上、古くからの付き合いにすると更にややこしくなりそうなのでまぁ仕方ない。

もう本作の顔みたいな扱いになっているが、由飛に対する裏の選択肢の扱い。
由飛が玲愛にトラウマを植え付けられたなら、逆は玲愛にとっては由飛の存在自体が呪縛になっている。
波乱万丈さはないが、中々しんみりする話に仕上がっている。

仁「お前の周りの世界は… お前が考えるよりも…ちょっとだけ優しいんだよ」

この台詞に玲愛ルートのすべてが詰まっている。
あとこのシーンに入るところの笑い声がめっちゃかわいい。


涼波かすり

一歩引いた位置から主人公に意見・サポートできる同性の友人的ポジション。
性格的には奔放なのに振る舞いはバランサーなのが面白い。
それだけのめり込み具合がないので、ルートは薄味であまり言うことがない。


雪乃明日香

最も素直に主人公の目的に協力する意思はあるが、行動の制限が多くてやきもきしている。
一応このキャラも別離・試練のステップを踏んではいるが、由飛や里伽子のそれと比較すると遥かに心理的負荷が小さい。

美鈴「それでも… あの娘は、自分の努力が無駄になったこと、もの凄く、喜んでましたよ…?」

本店がなくなり消沈している主人公らへのささやかな贈り物として学園祭での模擬店を企画していたが、ブリックモール店ができて当初の目的が消えてしまったので無駄な苦労を強いてしまった、という流れでの本人がいないところでの同級生と主人公の会話。
ファミーユにかける思いは主人公の次に強い。
が、それがそもそも視野の狭さから来ている面もありそうで、様々な面で年齢相応。
そういうキャラを好きかどうかで大分印象が変わる感じ。


マセている面が目立つが、由飛と素直に仲良くできないところとか序盤の話を面白くしている面もある。
本作中ジト目が最も似合うキャラでもある。


杉澤恵麻

里伽子の感情をぐちゃぐちゃにする係。
同時攻略必須で「何で…?」って思いながらやり始めたら納得感は物凄くあった。
この人がいないと里伽子ルートがマジにつまんない恋で終わってた可能性もあるので不可欠な存在ではある。


唯一エンディング後にエピローグがあり、里伽子が強かな一面を見せる形で終わるのでやはりこの人のルートはIFでしかない。
そもそもルート入ってから決裂しかける原因も里伽子絡みの話だし…なし崩しに訪れた結果を手放したくない様にしか見えないし…自分のルートで他のヒロインに土下座するなんてあんまり見ない気が。
ここで新たに出てくる情報が真相に近づいている様で、ミスリードを助長させる形になっているのは上手い。
作中でも言及されている様に、主人公の帰る場所(更に言うと逃げ場所)として存在している。

里伽子「子供の頃からの夢…かなったね?色々と回り道したけど、たどり着いたね」

他ヒロインのルートだと何とか感情を抑えられている様で上手くやんなさいよみたいな感じの飄々とした激励をくれるが、恵麻ルートだと流石に感情が爆発してしまうシーン。
大仰な祝福に皮肉も効いていて、泣き顔でこれを言われるので後ろめたさが尋常でない。


夏海里伽子

裏番長。つまんない恋の体現者。
弱みを見せない能力と性格のせいで、里伽〇もんと認識されてしまったのが大体の原因。
(もうちょっとでも助け合いの関係になっていれば、こうはなっていないはず)
この関係を変えるとしたら里伽子側からか、何かしらの強制力が働くかしかなくて。

まぁ「しょうがないなぁ」が口癖で、現状維持することに満更でもなさそうなので前者はあり得なそう。しかしこれも性格の問題だけではなくて、玲愛が由飛に劣等感を感じてそれ以外で完璧であろうとした様に、恵麻よりも主人公に頼られる存在になりたい意識からより優位に立つ関係を維持しようとしている、のでまたややこしい。
という具合に滅茶苦茶難儀な性格と境遇の持ち主。


ルートに入って裏の顔が見える、という感じではなく序盤から徐々に印象が変わっていく。
最初のうちは徹底的なリアリストに見えるが、話を進めていく内に「結構可愛いところもあるな…」となっていって、意外と困ってる人を見捨てられない?→主人公にはちょっと甘い?→主人公大好きじゃねーか!と化けの皮が剥がれていく様は必見。
まぁ損得勘定で考えたら、いつ潰れるかもわからない個人経営の喫茶店で、更に向いてない接客のバイトなんかするか?という感じではある。
じゃあ何で新店舗で復帰しないんだ?となって、表向きは就職活動となっているが…


キャラクターの描写が過剰に描かれていると思いきやほとんどが伏線を兼ねていて、重要ってついてないイベントも全部重要イベント。
見直すと明らかに妙なシーンもあるが、徐々に柔らかい性格が明らかになってくるギャップもあって、主人公と一緒になって「可愛いとこあるじゃん」で済ませられてしまう。
シナリオ構成自体の仕掛けも凄いが、キャラクターありきでもあってまさに渾然一体。
回想シーンも幼少期に偶然出会った思い出じゃなくて、少しだけ前の日常なのが凄く良い。


TRUE入った後は里伽子がすべてを諦めかけているのに対して、主人公は覚悟キマってるのがかっこいい。

恵麻「…言っておくけど、店長、やめさせないわよ」
仁「当たり前だろ…」
恵麻「今の倍は大変よ?」
仁「いや…多分3倍」
恵麻「後悔しないわね?」
仁「果てしなく後悔したから、やるんだよ」
恵麻「…」


自分がやることだけでなく、里伽子の行動を先回りしてお互いの退路を断って背水の陣。

仁「なんだよ、俺が普段通りなのが気に食わないか?この世の終わりみたいな顔してないとまずいか?」
里伽子「ふざけないでよ、どういうつもり?」

ここでもう主導権を握られて、以前と立場が逆転してしまっている。
もう元の関係には戻れない以上、関係を進めるしかなくて…
主人公の家庭事情も含めて筋が通っていて、良い形で終われて良かった。
ここでプロトタイプ制服持ってきてるのマジでちゃっかりしてて好き。


ReOrderの追加シナリオ「famille」で本店時代の里伽子が見れて、これがまた食えない感じでおもろいキャラなのがズルい。
一目置かれそうなのにかすりが結構容赦なく里伽子をイジるのはこういう面も見てきたからだろうなというのもあって、短いながらも良いお話でした。


音楽

つまんない恋

最初は全然あってねーじゃんでPianoVerの方を気に入ってたがあまりにも短慮。
いやけどPianoVerも入りの切ない感じが凄くいいからこれはこれで良い、PianoVerとYui Verもサントラに入れて欲しかった…

暖かい空気に包まれて

ジーンと来るシーンでは大体これが流れてるのでかなり印象に残る。
多分やらずにこの曲だけ聞いてもそんなに、BGMの在り方をまた考えさせられた一曲。

優しいその瞳で

恵麻のテーマ曲。こっちは上と逆で、シーンがどうこうより単に音の使い方が上手い。
なんかADVの夜の移動パートとかで流れてそうな。


今更?

この作品の存在どころか評価を知っていて今更?の意味。
最近ショコラ、パルフェ、シュクレのセットがSwitchで出たらしいので別に今更もないかも。
今まで何度か機会はあったものの辿り着けなくて、実に15年近くかけてようやくプレイできた記念ということで純度100%の自分語りでも。


・ショコラプレイ
何となく有名だからでショコラからやろうとして、1~2人攻略したところでそんなに面白くないなと感じてリタイア。
その時はまだノベルゲームをそれ散るとONEくらいしかやってなかったので、引っ張ってくれるキャラとか露骨に不穏な伏線がないと退屈でしょうがなかった様な気がする。


Lycee(旧)への戯画参戦
花鳥玲愛が同弾トップレア(玲愛だけに)で3000~4000くらいしていた時。
里伽子の存在を知ったのはこの時で、「プロトタイプ制服ってなんだ…?」と気になりながらもスルー。
宙か雪使ってたら触ってた可能性も、この辺だと真子と翠は一応使ってた気がする。
いや明確にLyceeきっかけでやったのNega0天使のいない12月くらいだし微妙か。


パルフェリメイク(Vita)発売
2015年あたりにPS Vitaにリメイクされた時に、(全然記憶にないが)Xを漁ったら過去に自分の発言があった。


・ロイヤルスウィートコレクション発売
この青空に約束を-プレイしようと思って、サントラ欲しさにちょうど良かったので購入。
この時にまるねこ三部作という概念を知ったものの、目当て以外は完全にスルーという勿体ないことを。


この青空に約束を-リファイン発売
まだそんなに経ってないしスルーするつもりだったが、BGMが一新されるとのことで購入。
やっぱ面白いなとなってフォセットの存在を思い出してじゃあ全部やるか、となってようやく。

*1:タイガー道場みたいなやつ