げーむろぐ

クリアしたゲームの備忘録。RPG/アクション/ADV/ノベルがほとんど。

「シロナガス島への帰還」- アドベンチャーゲームの教科書の様な作品

新年一発目、界隈では超有名な同人ゲーム。
家庭用ゲーム機のパッケージ版まで出るレベルなので推して知るべし。


Switch版が出るまでCFやってたこと自体を知らなかったんですが、良い機会なので購入したはいいものの、不具合が多すぎて当面の間はプレイ非推奨の状態になっていたためお預けに。
(多少のバグは別に気にしないんですが、制作者の方がSwitch版の移植を請け負った企業に相当お冠だったのでこれは流石にと判断)
ちょうどポケモンSVが出る直前なので都合が良かったといえば良かったんですが。
それがある程度解消されるパッチが出たのが22年末の20日を過ぎた頃で、年末年始が落ち着いた今やっとという感じです。

タイトル画面

概要

タイトル シロナガス島への帰還
開発 鬼虫兵庫(個人制作)
room6(Switch版移植)
ジャンル ADV
発売日 2018/12/31(C95、オリジナル版)
2022/11/17(Switch版)
プレイ時間 約8時間(追加シナリオ込)
総評 A


正統派ADV、かつ正統派ミステリー。
クローズドサークルにおけるお約束の踏襲や、終盤までどの程度闇が深いか判然としない島の秘密、程よく混ざる科学捜査やSF要素、恐怖演出と、本編だけだと6~7時間程度のボリュームの中にバランス良く詰め込まれていて非常に完成度が高い作品。



評価

一応他と同じ評価基準にしてますが、面白さを定価で割るとトップかもしれません。
有名どころのADVと比較して遜色ない出来で、500円でこの面白さは凄い。


極少人数の制作の宿命というと大げさですが、イラストをどの程度許容できるかは人に依りそうです。
個人的には男性キャラは良い味出していて、女性キャラも通常はそんなになんですが一部CGで慣れない描き方があった、くらいです。
(ねね子は制作者お気に入りなこともあってかそういうのもなく)

ちゃんと解ける

正統派過ぎて語ることがあまりないですが、「ちゃんと解ける」のは大きいです。
この手の作品はトリックと動機が重要視され過ぎて他が蔑ろにされることも多いですが、本作はちゃんとアリバイが役に立ちます。
犯人当て以外も、わかるわけないって謎解きがないのは好印象。
大体が、「後から思うとあれはヒントだったな」となるか、選択した直後に「これまずくない?やっぱり…」となってもやもやすることはありませんでした。

タイトル回収

おそらくダブルミーニングになっていて、後に判明する方はわかりやすいですが、先の方は「帰還者は誰のことを指しているのか?」と思いつつプレイしていて予想外の展開で出てくるので新鮮でした。
わかってから見ると伏線が結構露骨なんですが、プレイ中は何の意味があるのかわからない状態で、丁度いい出し方でした。



Switch版とPC版、Steam版どっちがいいの?

Switch版を遊ぶメリットはあまりないと思います、自分のPCないという人向け。
他のバージョンでもボイスパッチ等出ている様です。
特に比較したわけではないですが、とりあえずSwitch版で遊びにくい点が2つ。

スキップ機能の使いにくさ

おっっっっそい。どのくらい遅いかというと、文字表示最速で決定ボタン連打した方が全然速いくらい。
中盤辺りから結構容赦なくゲームオーバーになる仕掛けが登場しますが、こまめにセーブしないと戻ってくるまで大変です。


UI改修中の様なので、いずれ改善されるのかも。
ついでに言うとバックログも若干使いにくく、ボタン配置も他のSwitchのノベルゲーと結構違う。


調査シーンのカーソル

操作性は逆転裁判とかと同じような感じなんですが、元がPCゲームでマウスやらのポインティングデバイス前提のせいか判定が厳しいところもあります。
感度を調整できるので下げればいいんですが、そういうところは時間制限つきだったりするのでもどかしい。

爆弾解体シーン。小さな領域にいくつもオブジェクトがあり、一つ間違えるとゲームオーバーな状況でカーソルの位置を正確に合わせにくく操作が難しい。

コントローラーでやる場合にカーソルの代替としてプルーフターゲットは偉大だなと思い知らされる、があれはあれでわかりやすすぎてシンプルなADV向きではない気も…


おわりに

解けるわけない謎解きさせられてリフレッシュしたい人に非常にオススメです。
そうじゃなくても値段的にもプレイ時間的にも、重いゲームの隙間にだったりいろいろとやりやすい作品でもあるのでADVやる人には大体オススメできると思います。
美少女ゲームしかやらん!って人には微妙かも。