げーむろぐ

クリアしたゲームの備忘録。RPG/アクション/ADV/ノベルがほとんど。

「終末の過ごし方」- 良い終末を。

何かいろいろ並行してやってますが、すぐ終わるらしいのと高騰してるサントラ欲しいか早めに判断したかったので更に割り込みでやりました。

タイトル画面。WはWorldとWeekをかけているらしい。

タイトルのとおり、終わりが間近に迫った世界ででの日常(の延長)を描いた作品。
多くの人が略奪行為や疎開*1により散り散りになっていく状況の中で、以前と同じ様に登校し続ける者たちに焦点が当たっています。
目的意識を持てなかったり、逆にこれしかないと強迫観念に囚われていたり、総じて自ら意思決定することをしなくなっているキャラクターたちが心情を吐露するシーンが見どころと言えます。

この独白に舞台設定が詰め込まれている


惰性で時間を過ごしてしまうことが多い人には共感できる作品だと思います。


…短いゲームなのでぶっちゃけこれだけで終わってもいいんですが、一応いつもの書きます。



概要

タイトル 終末の過ごし方
開発 アボガドパワーズ
ジャンル ADV
発売日 1999/04/09(オリジナル・CD版)
2003/04/24(DVD版)
プレイ時間 約3時間、初周1.5時間
総評 B+


互換モードでインストールするとWin11でも動かせたが、サポート対象はXPまで。
DVD-PG版も存在するため、動作環境がどうしても不安な人やPCがない人はそちらでも。
入手できるかわからないのと、PG版は操作性に難があるためオススメはしかねるが。

評価

特徴的な設定により独特の雰囲気があることと印象的な科白が多い。
惰性から抜け出せない人は共感できるし、そうでない人は映画感覚で楽しめる。

印象的な科白

ただ裏返すと日常の延長ではあるものの、決して日常ではないため所謂日常シーンがない。
これを退屈な部分が減ったと取るか、ノベルゲームの味わいが薄くなったと取るかは人それぞれだが、前者の様に好意的に捉えても流石にボリュームがなさすぎる。
2000円くらいで買えればいいが、5000円とか出すと物足りなさを感じるのは確か。



特徴

  1. 終末モノであるが、混沌とした世界やポストアポカリプスの様な世界観ではない
  2. 主人公はヒロイン4人から1人を攻略できるが、それとは別に固定の2組が存在する
  3. メガネ率が非常に高い

基本的には1番上だけ重要で、下2つはおまけ。

終末モノ

どの様な状況かも正確にはわからないが、少なくとも政治機能やインフラが麻痺する程の確かさで「終わりの日」だけが明確に設定されている。
99年の作品なので、ノストラダムスの大予言の影響を受けていることは想像に難くないが、日常に潜む狂気や違和感から広げて行くのではなく、終末が最初からあるものと扱われていることが特徴的。
ただ終末が近づている描写としては『夏なのに肌寒い』くらいで、あまり現実味がない。
このことが作中の人物を学校に留まらせている。というかこうしないと逆にリアリティがなくなるか。

訪れる終末の原因

『地球が無事では済まないサイズの天体に衝突する』と予測されていると想像。
気候が変わっていることから予測されるが、地球だけで見た話だと明確に何日後というのは推測しにくいと思われるため、巨大な天体により太陽光が遮られているか、あるいは公転軌道が変わっているかとかそういう話だと思われる。
屋上で天体観測している(はずの)部活に所属しているキャラクターがいるが、特に伏線らしき話は出ないため想像の域を出ないどころか憶測のレベルだが…



主人公以外のカップ

男性キャラが3人いて、それぞれ対応するヒロインとのやり取りが順番に描かれていく。
要するに視点が3つありそれが同時進行していくのだが、交わることなくそのまま平行線で終わる。
進めば進むほど終末に近づいていくので、合流して何かやるという展開にならないのは自然ではあるものの、本当に別々の視点をただ並べただけ。
(一応、主人公と他の組の男側が会話するシーンはある。評価の項目で挙げたSSもその1つ。)

最初のうちは珍しいやり方取ってるなと思って楽しめる。
問題となるのが主人公は対応するヒロインが4人いて、他はそれぞれ1人ずつであること。
他のヒロインのシナリオを読もうとすると、固定の2組も毎回一緒にくっついてくる。
幸い古い作品ながら既読スキップはちゃんとあるので、そこまで苦ではないがバランスが悪い作りと言える。



メガネ率

そのまんまで、かけたりかけなかったりなキャラもいるものの、ヒロインは全員メガネ。
キャラゲーとは言えないので、だからオススメとかではないが結構インパクトがある。
フェティシズムに偏った作品ではたまに見かけるが、シナリオ・雰囲気重視の作品でこれは類を見ない。


余談

開発元のアボガドパワーズの初代代表は早世している。
体調を崩したのは本作発売より後のことなので今わの際の作品というわけではないが、それを考慮した上でプレイすると違った見え方になるかもしれない。

*1:と言っても惑星規模で終焉が訪れることが示唆されているため、戦中になぞらえてこう命名されているだけであって特別な行動をしたいという意味合いが強い