げーむろぐ

クリアしたゲームの備忘録。RPG/アクション/ADV/ノベルがほとんど。

「MOTHER」― 雰囲気を楽しめるなら随所に拘りが感じられる良作

どこかでやりたいけど環境がGBAMOTHER1+2くらいしかないし結構高いんだよなと
思っていたらSwitchで配信されて今年中くらいに考えていたんですが、
ちょうどいい期間ができたのと某所でPollyannaのMADが流行っていたので。

タイトル画面


「勇者VS魔物」の形式に当てはまらないタイプの世界観自体は
昨今ではそれほど珍しくありませんが、舞台が現代アメリカで
キャラクターデザインもそれに合わせて独特なものになっています。


特徴的なのはデザインとBGMで、ゲーム性自体は従来のRPGとほとんど同じ。
所謂おつかいや自由に使える乗り物がない等の違いはありますが、
この辺りは恐らくあくまで等身大の冒険ということなのでしょう。

かと言ってフリーシナリオなわけではなく、プレイヤーの行動を制限するお約束は存在する


全編通して超能力と異星人の存在がクローズアップされていますが、
UFOの目撃と同じくらいの時代かと思いきやUFOの初目撃は1947年らしいので、
本作の最初の事件が起こった1900年より大分後なのでこれは違う?
本編の1990年頃のオカルトブームに乗っかった形でしょうか。


概要

タイトル MOTHER
開発 パックスソフトニカ、エイプ
ジャンル RPG
発売日 1989/07/27(オリジナル)
2022/02/10(Switch配信)
プレイ時間 約14時間
総評 B


プレイ時間は途中(ダンカン工場辺り)から巻き戻し使用しての時間。
ズルしないと全滅回数が凄まじいことになって、下手すると倍近くになりそうです。


各地で発生した怪奇現象を解決しながら8つのメロディーを集めて
1つの曲を完成させることが目的になります。
その途中で黒幕の正体が徐々に判明していき、
主人公がそれにどう関係してくるかがわかるようになっています。


評価

当時のきっつい操作性・ゲームバランスを乗り越えてまで
やるべきかといわれると微妙なところです。
デザインかBGMが気に入らないとしんどいが勝ると思うので、
「なんとなく名作らしい」という感じでやるのはあまりオススメできません。
以下のSSから雰囲気を察していただければ。

好物を設定できたり、システムメッセージに拘りを感じられる

BGMは表現が難しいですが、しんみりとした曲や不気味、不思議な曲が多いです。
Pollyannaが気に入ったのであれば他にも気に入る曲があるかと思います。
個人的にはSnowmanがイチオシ。


特徴・構成

主にテキスト周りの細かい部分は作りこまれていますが、
メインストーリーが大分ご想像にお任せしますな作り。
おともだち(眼鏡)とおともだち(ヤンキー)は加入動機と役割が
ハッキリしていていいんですが、おんなのこは微妙なタイミングで
何となく入ってくる割に最重要キャラみたいな扱いされてて
今一しっくり来ませんでした。


マジカントは伏線にも雰囲気作りにもなっていてここは素晴らしいと思います。
ただ最初行くときは出口を見つけるまで閉じ込められた状態で
お金も引き出せないのがしんどくて楽しむ余裕があまりなかったですが…


メロディー集めのおかげで独特な雰囲気の中でもRPGっぽさを醸し出せているんですが、
ラストの使い方とあまりマッチしていない様な。これについては詳細を後述します。


メロディー集め

集め方からすると地球の意思の総意みたいな感じで
元気玉みたいになるか機械を動かすキーに
なるのかなと思いきやタイトル回収でした。


うーん世界中に膾炙していたメロディーを元に
子守唄を作ったというのであれば納得できなくはないですが、
演出的にはイヴみたいな形で明らかに関与がわかる物の方が…


でも歌うサルとか謎のサボテンとかから拾った方が
このゲームらしいっちゃらしいですかね。
結局のところ自分にあまり合わなかっただけかもしれません。


ゲームバランス

FC時代のゲームなので当然といえば当然ですが、
非常に不親切かつイカれたバランスになっています。


蘇生手段が非常に限られている割にはおんなのこが非常に打たれ弱く、
雑魚戦では基本ガードしていて戦闘後に回復する役割になっていました。


また同じ場所でも敵の強さの差が非常に激しく、
その割には獲得経験値にそんなに差がなかったりして
逃げるが最も安定する相手が多々存在します。
「じげんスリップ」という逃げる専用のPSIが存在するので
意図的な気がしなくもないですが。


バランス以外にも、移動が非常に遅い、その割にエンカウント率が高い、
持ち物の個数の制約が大きい(特に一人旅時)、
やたら広くて迷いやすいだけのダンジョンなど枚挙に暇がないですが、
どこでもセーブ&ロードと巻き戻しフル活用でかなりカバーできるので
意固地にならずに使いましょう。


おわりに

久々にかなり古いソフトでいろいろと思うところはありました。
90年付近のゲームは何作かオリジナルもやったことはありますが、
雑魚戦でも不意打ちされたらそのまま全滅とか事故るとリカバリーきかないとかは
普通にあったのであんなんよくやってたなぁという感じではあります。


次のEVE新作は既にプレイ中です。逸って普段ほど校正できてないです、すみません。