げーむろぐ

クリアしたゲームの備忘録。RPG/アクション/ADV/ノベルがほとんど。

「ヴァルキリーエリュシオン」― シリーズの看板が重すぎたにしてもあんまりだが、アクションとしてはそれなりに面白い

TGSで見かけて主人公美人やねということで何となくやってみました。

タイトル画面

ヴァルキリーシリーズは初代のヴァルキリープロファイル(PS)を
5年ほど前にプレイして、それ以外は未プレイです。

アクション部分が気に入った人ならありかも、
というかそうでない人にオススメできません。



概要

タイトル ヴァルキリーエリュシオン(VALKYRIE ELYSIUM)
開発 SOLEIL
ジャンル アクションRPG
発売日 2022/09/29
プレイ時間 約14時間
総評 C

難易度ノーマル、サブクエストの消化と欠魂花*1の収集率は7割ほど。


ヴァルキリーシリーズとしては初のアクションRPGで、
舞台もラグナロクの前ではなくラグナロクの後となり人間はほぼ絶滅、
神族も極一部しか生き残っていない世界となっています。


人間の魂に接触することができるヴァルキリーが主人公で、
エインフェリアの要素があることと技名やらは共通していますが、
それ以外は初代ヴァルキリープロファイルとは別物です。


評価

褒める点がアクション要素(と一応ビジュアル面)しかなく、
RPGとしては話とキャラの掘り下げがスカスカな上に構成がお粗末、
探索も移動制限が多すぎるのとダンジョンの構造が複雑なだけで
謎解き要素は皆無、宝箱も中身がしょっぱくて面白くないです。


私は一応体験版をプレイした上でアクションになった以外も
ヴァルキリープロファイルとは別物やんなと思いつつ、
戦闘はまぁイースⅧ系統っぽくて面白いかも?と
少しだけ期待しての購入でしたが…


ヴァルキリープロファイルと比較すると、
エインフェリアがただの仲間キャラ*2で、
またアイテム収集の面白さが完全になくなっています。
比較以前にこの辺りの要素が極薄でRPGとして面白いか?となるのでお察し。




ここまでで大体どんな感じかわかると思うんですが、
既プレイ者向けと半分愚痴な感じでぐだぐだ詳細書いていきます。
話について書くことがないのでネタバレはほぼありません。



ビジュアル+演出

良い点と言えるほどか微妙ですが、
他の要素が酷いので相対的に良く見えている、という感じです。


ニーベルンヴァレスティの演出はモーションはそのまま
背景を描き足してスピーディーにした感じでなかなか良いです。
VPのはPS時代特有のコテコテの演出なので個人的にはこっちの方が。
これを終盤までやらないと見られないのは勿体ない。



アクション+戦闘

これは良いところ悪いところどっちもあるんですが、
悪い部分は敵の特性・配置とエインフェリア絡みなので、
基本的には主人公を動かしている分には気持ちいいです。
なので、アクションはいいけど戦闘自体は微妙、という感じ。

コンボアクション

攻撃ボタンが2つだけでその組み合わせと派生で使い分けていくんですが、
割と適当にやっていてもそれっぽい繋ぎになって面白いです。
浮かせて繋いで魔法を挟んでコンボ継続みたいなこともできるので
なんかスタイリッシュな感じのアクションやりたいのであればアリ、かも。

戦闘バランス

弱点を突いていく前提であるのにエインフェリアの加入時期*3
魔法の性能に大きな差があるのがまず快適さを損ねている点。
アクションなのに避けられない(閉じ込められる)エンカの多さ、
大型の敵やワープする敵相手にまともに使えないカメラワーク、
キャラが少なく話も短いのにラスト付近でのやたら長いボスラッシュ、
等々細かく上げていくと枚挙に暇がありませんが、
これ通しでテストプレイしたか?みたいなストレスフルな作りです。

結構シビアな戦闘

先行入力の猶予が長い関係で、とりあえず最大コンボ適当に入れ込んで
相手の行動見て回避、という動きができない様になっています。
この手のゲームは難易度ノーマルであれば大体ガチャガチャやってれば片付く、
くらいの認識ですが予想に反して本格派でした。


中盤までの雑魚戦は適当で良くて前述のコンボが楽しめる形ではあるんですが、
終盤はでかい敵+取り巻き多数みたいなエンカが多く、
雑魚に延々コンボ決めてると横から殴られるので効率的に戦うことが必須に。


また(主にボス)敵のアーマー付きの攻撃が見分けにくく、
ガード不能攻撃の予備動作も小さく見てから避けるのが難しかったり、
誤魔化しが効く分何とかなりますがガチンコでやると多分SEKIROより難しいです。
ジャスガ、パリィに慣れている人は難易度を挙げて強敵との戦いを楽しむのもアリかも。



エインフェリアの扱い

VPと比較して一番駄目な部分がここですね。
癖のあるキャラがおらず全員普通に良い奴で、
死亡時の描写も本人からチラッと聞かされるだけなので
「とりあえず成り行きで一緒に戦っている」だけ感が凄い。


育成の概念もほとんどなく、使役した回数に対応して
エピソードがいくつか解放されて、使える技が増えていくだけ。
4人しかおらず担当属性がバラバラなので、全員使わざるを得ず好みも出ない、等々。


絶滅に瀕しているはずの人類の生き汚さも伺えず、
とにかく愛着の湧かないキャラクターたちでした。



アイテム収集の楽しくなさ

これもRPGとしては結構致命的。
序盤はまだ回復アイテム等も出てくるものの、
中盤から敵がドロップするEXP代わりのものしか出てこない。
当然アーティファクトの献上システムなんてものもなく、
事実上クエスト達成時の取得アイテムしか存在しない。


慣れると大体ガメることになるとは言え、初回はどれを懐に入れてどれを献上するか、
またアーティファクト以外でもアイテム変換での戦力の急上昇なども
初代の大きな特徴であるので、これも非常に残念なポイントでした。
この辺のシステムがないのも相まって、オーディンとの関係性も希薄になっていて
自分で責任を取らない情緒不安定な上司みたいな残念なポジションになってます。


コマンド制のRPGからアクションRPGになったことである程度簡略化されるのは
仕方のない面があるとは言え、それにしてもあんまりな作りです。
宝箱のせいでテンポが損なわれているだけとまで思えるので、
欠魂花をちいさなメダルみたいな扱いにしても良かったんじゃないとかは。




おわりに

スクエニから出ているリメイクでない新作買うのは久しぶりでしたが、
やっぱり発売日にDL版買うのはリスク高いなと思わされた作品でした。


タイトルにも書きましたが、ヴァルキリーの看板背負ってなければ
実質ストーリー無しのそこそこ面白いアクションゲーム、くらいで済んだ気がします。
そんなゲームでした。

*1:クリアに必須でもアイテムでもない、過去の記録系のやり込み要素

*2:厳密にはそれですらなく、プレイアブルでないサポートキャラ

*3:召喚すると対応した属性が武器に付与される