げーむろぐ

クリアしたゲームの備忘録。RPG/アクション/ADV/ノベルがほとんど。

「ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム」プチレビュー&感想

概要

ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルドの続編。
舞台を変えただけの焼き直しではなく、既存の世界とリンクした空と地底が探索可能となり、クラフト要素が非常に強くなっています。
ボリュームは前作以上に凄まじく、遊び方もより広がっています。


評価

クラフト要素を楽しめるかどうかで評価が分かれそうな作品です。
ここにハマれれば前作超え、そうでなければ前作の方が好き、となりそう。

というのも、前作が出た時とはかなり状況が異なっている点が大きいです。
目新しさがなくなっているばかりか、後発と改良された部分等が比較されてしまうため。
続編として順当に進化した部分とはまた別に、
新たな楽しみ方を相当なボリュームで入れて来たのは力の入れ様を感じられます。


一方でそれらが完全に切り離されているわけではない部分が長所でも短所でもあります。
興味が片方に偏っている人は、もう片方の要素が面倒にしかならない様な場面も多いです。


ポイント

  • ADVよりもRPG寄りになった
  • 空、地底との3層構造
  • 主にゾナニウムによるクラフト要素

ADVよりもRPG寄りになった

ストーリーと4種族関連のシステムについて。


探索はそこそこやってストーリークリアという遊び方でも十分楽しめる出来。
追いかけ方も『風景を撮った場所の視点の場所を探す』から『地上絵を探す』というやり方に変わり進めやすく。
(これは塔の仕様変更と空島の存在によるところが大きい)


しかしストーリー上の重要なファクターである4種族関連で問題が多いです。
一番大きいのが盟約システム*1で、恐ろしく取り回しが悪いです。
リンクの周囲をウロチョロする分身に話しかけないと能力が使えず、狭い場所や戦闘中は勝手に移動したり消えたりする上に、これを前提としたギミックが多数登場するため著しくテンポが損なわれています。
また異変の解決ごとに同じようなムービーを繰り返し見せられる割に、過去の賢者の素性がわからないままだったりするのも微妙なポイント。



空、地底との3層構造

ボリュームと世界観(構造)について。


空と地底が増えてボリューム3倍!とか宣っているのを見かけますが、言い過ぎです。
単純に見ても空は陸地が少なく、各監視塔の周囲に同じ様な作りの島で水増ししているものの本当に僅か。
(一応離れ小島に特殊な要素があったりはします)


地底は地上とほぼ同じだけの面積があり高さもかなりありますが、地上の様に各地域で採れる物が違ったり入り組んだ洞窟があったりしないので基本だだっ広いだけ。
こっちも最終的には怪しい場所以外は飛びっぱなしになることが多く、探索のし甲斐という意味では良くて1.5倍くらいしかないのではと思います。


ただ上下の繋がりで感心させられる作りもあったので、水増しばかりというわけでもなく。
3層構造の真ん中が巨大過ぎるのでそれに合わせて広げるとあまり意味を持たない空間ができてしまうのは仕方ないかなと。
地底についてはまだ言いたいことがあるので、ブループリントの方で後述します。



主にゾナニウムによるクラフト要素

ウルトラハンドとゾナニウム関連について。

謎解き要素として

お誂え向きにパーツが転がってることは多いので、まず取っ掛かりがわからないとか、アイデアが湧かずに詰むとかはほぼないです。

祠では中はある物だけでどうにかする必要がありますが、それでも結構色んなやり方で突破することができて考え甲斐があります。
外の場合がちょっと問題で、何でもありなのでギミックを無視してとりあえず高度稼いでみたいなやり方ができてしまうことが多い上に、何かを運ばないといけないシーンが多く、やることは毎回一緒なので…


ウルトラハンドの操作性

最大の問題点。

  • 角度を変えるのに一旦垂直の状態を経由しないといけない
  • 持ち上げてるときに視点を動かせない
  • 『外す』のがレバガチャなので、ずらす時にまた微調整が必要
  • 『つける』のが違うとこにつきがち

モノづくりで使うとこんな感じでストレスが凄いんですが、戦闘中に使用する場合はこの辺の細かい部分を無視できます。


物理演算の複雑さ

慣れるまでが結構大変で、吹っ飛んで行ったり奈落に落ちたりは日常茶飯事。
これは恐らく想定されていて、モドレコを上手く使えば簡単にやり直しができます。
最初モドレコはズルし放題じゃんとか思ってましたが、これないともっとストレスフルなゲームになっていそうです。
リトライ自体がやりやすいのは◎。


ブループリントの入手の遅さ

過去に制作したものを一発で復元できる機能があります。
ウルトラハンドで何度も同じものを作るのがかなりしんどいので必須級。
なんですが、地底関係のメインチャレンジをそれなりに進めないと手に入りません。
地底はある程度のライフが確保できるまで瘴気の影響で探索しにくいので、がんばりゲージ全振りだと中盤くらいまで完全放置もあり得ます。
一応地底にゾナニウムの大鉱床があるという話は聞けるものの、導線が弱いです。


赤い月

元々は敵が定期的にリポップする仕組みだったんですが、他にも影響が出る様に。
ゾナニウムで作る装置に関してはどっちにしろ使い捨てなので特に問題ないんですが、一部のチャレンジでパーツを集めたり運んだりする物があり、これの途中で赤い月が発生するとなんと初期位置に戻ります。
(正確な条件は不明、何かにくっついていればセーフ?)
ただでさえ運搬は面倒なのに、こうなった日にはもう疲れちゃってェ…になります。

あと些細な点として、これだけスキップ連打ではなく別のボタン押してからじゃないとスキップできないのがちょっと気になりました。
どのボタンだったかとか、前作はどうだったかとかはちょっと忘れましたが…



データ

タイトル ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム
開発 任天堂
ジャンル アクションアドベンチャー
発売日 2023/05/12
プレイ時間 約140時間
総評 A+

感想

風から攻略して、風の神殿クリアまでは「これは前作超えですわ」みたいに思ってました。
ボス戦での共闘とフリザゲイラ戦のBGMがかっこよくてですね…


でやってく内に面白い部分は凄いけど面倒というか虚無の時間が結構あるな…となって、
4種族の異変解決後辺りからは文句言いながら中々やめられない中毒者になってました。
前作が偉大過ぎて超えようがないという話ではなく、ポイント3つの発想自体は素晴らしいだけに、という感じに。


ストーリーは中々良いのとイベントボス戦の演出も良いので、無理にやり込むよりさっくりクリアした方が後味いいかもしれません。

*1:賢者の分身と連携するアレ