げーむろぐ

クリアしたゲームの備忘録。RPG/アクション/ADV/ノベルがほとんど。

「COGEN: 大鳥こはくと刻の剣」― 即座にリトライできるがそれに見合う難易度を持つ死にゲー

店頭で見かけたキービジュアルに惹かれて衝動買い(予約)しました。
最近は古めの作品やシリーズ物、リメイク辺りを漁ってることが多いので、
この手のきっかけで手に取るのはかなり久しぶりな気がします。

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トレーダー秋葉原2号店にて

「刻を戻し」と言っているので謎解き重視のゲームなのかなと勝手に想像していましたが、
ゴリッゴリのアクションゲームで所謂死にゲーでした。
2Dアクションが得意or好きか、トライアンドエラーが苦にならない人には向いていますが、
そうでない人は一度検討してみた方が良いかもしれません。


cogen.city
あらすじと基本的なシステムは公式が簡潔で見やすいです。

概要

タイトル COGEN: 大鳥こはくと刻の剣
開発元 ジェムドロップ
ジャンル アクション
機種 Switch/PS4/Steam
発売日 2022/01/27
傾向 死にゲー
プレイ時間 約10時間(アーカーシャ編を入れると12時間)
総評 A

評価

ストレスフリーなトライアンドエラー

最大の特徴は時間逆行システムで、体力が存在せず被弾=死*1なんですが、
死が確定した瞬間に自動的に時間が止まり、0~3秒まで任意の秒数時間を巻き戻せます。

初見殺しされた時にその場でやり直すことができ、敵の行動パターンの把握に役立つほか、
予測しにくいが躱せればチャンスになる攻撃を受けた際には
反撃の手段にもなり攻撃に転用できるのも体力制にはない面白みです。


また時間逆行を発動できずにやられてしまった場合でも、すぐに再挑戦できます。
ボスが何形態もあったり、難所が連続したりということがないため*2
「またあそこからか…」とならずに迅速にリトライすることができます。

「もう安定してクリアできる部分を毎回やらされるハメになる」ことはありませんが、
その分終盤のステージはやり直しが前提の難易度となっていて、
敵やギミックの配置がとにかく嫌らしく、ラスボスが尋常でない隙の無さを誇ります。

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こんなものはまだ序の口

時間逆行のギミック利用

基本的には前述の様に強敵相手に何度も挑戦する手段となりますが、
道中ではむしろ自然回復するストック、の様な扱いで消費していくことになるため、
一瞬だけ時間を戻して強引に突破することもままあります。

また攻撃を受けた場合だけでなく、システムと連動したギミックの利用や
踏み外した際のリカバリ、周期の調整等、様々な用途に使用することができます。

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足場の下にゲージが見えるのが、時間を巻き戻した際にその時間だけ出現する足場。強制スクロールとの組み合わせが良くできている。

その他のギミック

通常時は暗闇に包まれていて、スイッチを攻撃すると明るくなる仕掛けがあります。
通常一歩先すら見えないので点灯して進んだ方が良いのですが、
真っ暗な状態だと「こちらを捕捉して攻撃してくる敵」が何もしてこなくなります。

決められた範囲を巡回する敵に接触するか穴に落ちる危険性は高まりますが、
囲まれるような場面では敢えて真っ暗な状態で進んだ方が楽になることもあります。


…敵が機械なので可視光線でしかこちらを捕捉できないのはおかしい気もしますが、
「視界の確保」か「敵の沈静化」を選択できるのは中々面白いと思いました。

シンプルなアクション

時間逆行以外に特殊なシステムは存在せず、
攻撃、ジャンプ、ダッシュ、バックステップのみの極めてシンプルな操作です。

戦闘中に気を配るのは敵やギミックの動きと時間逆行ゲージだけで良く、
リソースの管理や稼ぎと言った要素とは無縁。
純粋に敵の動きにどう対応するかが求められます。


唯一壁ジャンプ(キック)だけ少しやり難いです。
厳密に言うと壁ジャンプは存在せず壁はりつき中にジャンプで反対方向に飛ぶため、
接壁時に反対方向にキーを入れてジャンプ、だと上手くいきません。
この辺は他のアクションに慣れていると逆に苦戦する部分かもしれません。

難易度の高い終盤ステージ

ステージ自体の難易度が上がるだけでなく時間逆行ゲージが自動回復しなくなるため、
ゲームに慣れてきた段階であるのに体感の難易度もかなり上がります。

やり応えがあるのは間違いないですが、ステージ中に散らばったアイテムを
1つでも回収し損ねるとそのステージ全体をやり直さないといけない*3のは、
ストレスフリーな作りと真逆を行っていて勿体ないポイントかなと思いました。

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見えた時点ではもう取り返しがつかないアイテム。こうなると最初からやり直しです。

世界観

RPGやADV要素のない純アクションなのでストーリー自体は非常にシンプルですが、
世界観や設定は中々練られていると感じます。

時間逆行も単にユニークなシステムというだけでなく設定と密接に絡んでいて、
何故そんなことができるのか、も現状の理解が進むにつれて明らかになります。
工場の様なステージやボスが重機っぽい辺りも機械に対する拘りを強く感じるポイント。

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限定版パッケージの外装を外した状態の箱。むき出しの段ボールに細々と情報が書き込まれている。

おまけ

どうしてもクリアできない人向けの攻略情報を1つだけ紹介します。
やってれば自然と気付くものなので、最序盤でもう折れそう、という人向けです。

時間逆行システムの裏技(?)

時間逆行を行った際に、僅かに無敵時間が発生する上に
あらゆる硬直と行動回数制限がキャンセルされる特徴があります。
例として、以下の様な使い方ができます。

・敵と接触して一瞬だけ時間を巻き戻し、ダッシュでそのまますり抜ける
・ギリギリ倒せなかった敵を一瞬だけ巻き戻してそのまま撃破する
・弾をよけ損なった時に一瞬だけ巻き戻して打ち返す
・本来足場を伝っていく箇所を強引に空中ダッシュ連打で抜ける

注意点としては、落下死やギミックに挟まれて
死んだ場合等は逆行後の仕様では回避できないため、
大きく時間を巻き戻してやり直す必要があります。

こちらのケースでは細かく巻き戻しても意味がないどころか、
撒き戻すのが一瞬でも1ゲージ(1秒分)は使用するので、
一瞬だけ戻して無理だった、となった瞬間かなり厳しい状況になります。

*1:所謂オワタ式

*2:体力が減ってくると行動パターンが変化することはある

*3:ステージ中の随所にチェックポイントが存在していて、後ろから前に戻るのは難しかったり不可能であったりすることが多い