時計仕掛けのレイラインを3作まとめてクリア。
1作目が短すぎ+終わり方中途半端過ぎでまとめての方が良さそうと判断。
君の名残は静かに揺れて レビュー - cross_claymore’s blogでユニシフ行けるやん!となって
ワンコインセールで積んどいた奴の消化です。
概説
長いので、黄昏時の境界線を1作目、残影の夜が明ける時を2作目、
朝霧に散る花を3作目と呼びます。
突然届いた招待状に誘われるまま入学した主人公が
入学時の事故と学園の策謀によって遺品を巡る騒動
(魔力を流すと使えるロステクの便利道具、願いに引かれて現れる)と
夜になると異世界と化す学園の秘密を暴いていくお話。
1作目は遺品のトラブル絡みの解決がほとんどで、
核心にほぼ触れず夜の世界をどうやって現出させてるか止まりで終わり。
ホムンクルスや暗示の魔術の説明もないので本当に触りだけ。
2作目は遺品のトラブル解決が減って、夜の世界の真相を暴きに行くのがメイン。
中々えげつないことをしている黒幕の計画を一先ずは阻止するも、
まだ続きがあるような形で終わる。
3作目はもう遺品のトラブル解決はほぼなしで、
黒幕側との知恵比べというか化かし合いの応酬をしながら
過去を知ることができる遺品で少しずつ真相に近づいていく形を取っています。
3作共に共通しているのが、1作毎のプレイ時間は短く大体7~10時間ほど。
というのも、個別シナリオがないに等しくシーン追加のためのifのような扱いになっていて
ある程度推理の必要があるとは言え一本道になっているため。
最初からコンシューマ移植前提で作ってこうなったのか?
全部定価で買ったらボリュームに見合わないお値段になりそうです。
総評
3作まとめてだとA-。
個別だと1作目はB-、2作目はB、3作目はAです。
ミステリっぽさがあるものの情報足りないことが多いのであくまでっぽいだけ。
すれ違いが生んだ悲劇好きの人にはオススメできるんですが、
3作目まで行かないとその要素が出てこないのがちょっと辛い。
夜の世界の真相が明らかになる辺り(2作目の終盤)からはかなり面白いです。
そこまでは似たようなキャラの掛け合いが多かったり
ストーリーの芯と関係ない部分の推理やらされたり
(1個前に戻れてすぐ正解かわかるから総当たりでもいいけど)で
めんどくさくなるかもしれないです。
黄昏時の境界線
1作目は人形関連のエピソード以外はあんまり見所がなく、
睦月と本物の満琉はどうなったんだよ感が凄くて
2作目とくっつけた方が良かったのではという感じ。
風呂屋町のキャラは結構好きかも。妄想超特急。
残影の夜が明ける時
2作目は1作目と3作目の繋ぎというか、
1作目のやり残しを補完する形なのでこちらもあんまりどこがいいというのはなく。
スケープゴートって呼称がやたら使われてるのは気になった。
罪や責任を1人ないし少数に負わせることをこう呼称すると認識してるんですが、
魔女でないとできない作業をちゃんと取引した上でやっているわけだし、
2作目からは鍔姫と共同作業になって授業に出れない問題等も解決しているので
何か気持ち悪いなあと思いながら読み進めていました。
そのせいでこのシーンも大分混乱したしあんまり納得いってないです。
後は、おまるの暗示解けた時にもうちょっと狼狽えないとおかしい気がする。
まぁここはひた隠しにしてラストの展開盛り上げようってのはわかる。
1作目で睦月のとこに行くヤヌスの鍵は不発だったのか、おまるのとこ判定だったのかは気になる。
朝霧に散る花
3作目はラズリットとセディの過去を日記調で徐々に明らかにしていって、
指示語を上手く使ってそのどっちでもない人物が最も原因に近い所にいるのは見事でした。
…あくまで日記調になっているのは遺品の力で、当人の記憶を書き出しているだけのはずなので
そんな曖昧な記述でいいのか?というのはあるにはありますが。
叙述トリックを作品の雰囲気を活かして取り入れているのでこれも無粋な突っ込みか。
後は「魂」の有り方が随所に関係してくるのが明らかになるんですが、
魂の有無と魔力の有無は厳密には同義でないとか、
魂を操れると魂を持った魔法生命みたいな矛盾した存在を作れたり
能力の受け渡し(これは魔女クラスなら誰でもできる?)ができたり
ごちゃごちゃしてきて、推理しきるのは07thExpansion作品ほどではないものの
大分無理があるので放棄して素直にストーリーを楽しむ方が無難。
最後の遺品も詳細不明のままドッキリ仕掛てきたし…
そあらの正体もちょっとうーん…
といった感じで細かいとこ突くと色々出てくるんですが、
プレイヤーを飽きさせないように良い意味で予想を裏切る展開が連続して
完結編に相応しいエキサイティングなゲームになっているのは間違いないです。